逆風のなか「ドローン」飛ぶ ―つくばに国内初の試験飛行場開所―

2015年 05月 19日

 
つくば市ドローン 087 わが国初という「ドローン」専用飛行場がつくば市にお目見えした。5月18日、同市和台の筑波北部工業団地内で「物流飛行ロボットつくば研究所」の開所式があり、新型機のデモンストレーション飛行が行われた。(報告:相澤冬樹@CROSS)

 お披露目されたのは、無人航空機UAS(Unmanned Aircraft System)の産業利用拡大をめざし、事業者や研究者らで立ち上げた一般社団法人日本UAS産業振興協議会(=JUIDA、鈴木真二理事長)が開設する施設。地元の物流業者、五光物流(本社・筑西市、小林章三郎社長)が同工業団地に所有する土地約3800平方㍍を提供し、JUIDA試験飛行場の名で整備してきた。電線や建物などの障害物のない草地に、管理用のプレ

つくば市ドローン 072ハブ1棟が建っている。
 この日はテープカットの後、マルチコプター2機による試験飛行が報道陣に公開された。ブルーイノベーション社(本社・東京、熊田貴之社長)が産業技術総合研究所の協力で開発した8枚翼のプロトタイプ機。デモフライトはリモコン操縦で離発着し、上昇後に搭載したマイコン制御による自律飛行に切り換える形で行われた。計4キロの積載重量(ペイロード)を抱え、10メートルほどの高さを数分間、N字形に行き来する飛行も安定してこなした。
 ただし安全確保の観点から、飛び立つ際の目安として風速が毎秒5メートル以下であることなどを条件にしているため、強風で何度も発進が待たされるなど、実用化に向けた多難さをうかがわせる実演となった。
 一般に「ドローン」と呼ばれる無人機については、4月の首相官邸への墜落事故以降、法整備の機運が急速に高まっている。JUIDAでは、事業者として安全性確保に向けたガイドラインを関係機関などと協議してとりまとめ中であり、それに見合った機体開発の基地として運営する一方、施設を事業者一般に貸し出して、テスト飛行や操縦トレーニングに利用してもらう想定でいる。すでに数件の問い合わせがきているそうだ。
 鈴木理事長によれば、従来これらの飛行はラジコン専用飛行場や民間飛行場を借りて、限られた条件のなかで行ってきた。「法規制のないドローンはどこでも飛ばせると思われがちだが、実際に産業利用となると、安全性への配慮から落下事故を懸念したりして、どこでも飛ばせない状態だった。はじめて安心して飛ばせる環境が整った」という。
 JUIDAでは物流現場における活用をはじめ、空撮、測量、農業など幅広い分野でUAS機の産業利用を見込んでおり、その健全な発展に向け施設を供用したい考え。貸し出し料金など利用条件は7月ごろをめどに詰めていく。
▼一般社団法人 日本UAS産業振興協議会(JUIDA) 東京都千代田区神田錦町3-16-11エルヴァージュ神田錦町4F TEL.03-3293-8801

 

 

 

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2016年3月24日現在のものです。