一般財団法人 総合科学研究機構 理事長
岡田 雅年
会員の皆様もそれぞれ素晴らしい新年をお迎えのことと存じます。
昨年は‘変化’や‘革新’が叫ばれて政治の体制も確かに変化の兆しが見えた年でありました。今年も世界にとっても、また身近な我々の生活にとっても希望がもてる年になることを切に願っています。CROSSつくばも新年を機にホームページの装いを新たにして会員とのコミュニケーションを密にし、また一層多くの方々にCROSSについて知って頂きたいと考えております。
CROSSつくばは会員により構成されていますが、会員にはつくば研究学園都市に関係のある方だけではなくて地域の一般の方も多くおられます。しかし総体的には科学技術に関心の深い方が多いと思われます。
CROSSの呼称は総合科学研究機構の略ですから、会の対象は厳密な意味の理工系科学技術だけではなく社会、経済、文化のような側面も包含して考えることのできるものです。このようなことに関心ある方がそれぞれに参加して小規模であっても新しい文化を創造していけば良いので、そのためには何よりも会員の方々には共通に問題を考え何か行動ができる場として是非活用して頂ければ有り難いと思います。
また近くに適当な方があればお誘いいただければと思います。つくばには研究者や研究機関を対象として活動している団体は幾つかありますが、学園都市内の研究活動から少し距離を置いて研究者、研究者OBと市民も交えて意義のある活動をしようという点でCROSSつくば他にない特色のある団体であると自負しております。
一例を挙げますと、昨年の12月にはコペンハーゲンでCOP15(国連気候変動枠組み条約第15回締約会議)が開かれ各国のCO2 削減目標に関して激論の末に幕を閉じたことは記憶に新しいところです。日本では25%という数字を掲げていますが、その達成のためには産業面だけではなくて一般家庭での低炭素化への努力が必須とされています。
2050年で60~80%削減という数字は将来において社会制度や人々のモラルの変革も当然想定した上で可能な数字です。つくばには科学技術の面では、環境問題についても世界の最先端を行っている研究機関が幾つもありますが、これらの機関は最近になって市民生活に生かすという方向にも目を向けているようです。
従来から言われますが、科学技術とその成果を利用する市民との間の対話ができる街としてつくばはモデル都市の利点を生かすべきです。
環境を例にあげましたが、他にも理工学教育、技術移転・継承、などCROSSが対象として取り上げることのできる課題は数多くあります。CROSSは現在小さな団体ですが、CROSS研究プロジェクトなどで真面目に問題を取り上げて社会に少しでも貢献して行こうとしております。
会員諸氏の積極的な参加を待っております。