2009年度事業の中間報告
(2009年4月1日~2010年3月10日)
1. 概況
2009年度は、時代の大きな変革期にあり、改組後12年目を迎えたCROSSにとっても、大きな節目となる年となった。
そこで大きく分けて次の3事業に取り組んだ。
ア 従来のCROSS事業
イ 公益法人改組に向けての取組み
ウ 産学連携事業部門の開設準備
こうした活動の結果「CROSSの運営組織」についても大幅に見直すことが必要になった。この件については、2010年度より、具体化させることとする。21年度においても、「事業活動の整理」「ホームページの編集」等の点からも前倒しして採用することとする。
2 法人本部の活動
(1) 理事会・評議員会
ア 理事会・評議員会
2009年度第1回理事会・評議員会を2009年5月29日に開催し,次の議題を審議した。
① 2008年度事業報告及び決算報告
② 「一般財団法人への改組」に関する件
③ 業務執行に関する常任役員会への事前委任の件
④ 2009年度常任役員会の構成について
⑤ 2009年度の事業についての中間報告について
イ 2009年度常任役員会
① 常任役員会 (14名) のメンバーは次の通りに決定した。
議 長:岡田 雅年
メンバー:秋田 雅之・安藤 正海・小野 史子・木村 滋・齋藤 鐵哉
高橋 嘉右・西谷 隆義・羽澄 順二・三國 晃・八木 晃一
矢部 健 ・横山 桂 ・助川 庄一
② 2009年度は以下の日程で6回開催した。
第43回:H21. 5.19 第44回:H21. 7.21 第45回:H21.9.8
第46回:H21.11. 5 第47回:H21.12.11 第48回:H22.2.15
③ 役員会では次の事項を審議した。
・ 法人の年間業務計画
・ 法人の運営体制についての計画
・ 「2009年度CROSS研究プロジェクト」について
・ 公益法人の見直しについて
・ J-PARC利用促進登録機関への対応
・ ホームページのリニューアル
・ データベースの見直し
・ その他の関連事項
(2) 事務局
ア 業務執行
事務局の業務は三國・助川 (2010年1月からは箱田氏が加入) で行った。経理面に関しては,TISTからの支援のもとに業務遂行にあたった。
このほか「ホームページの更新」[CROSSつくばの編集]、「会員データの整理」については横山、御供氏等からの協力を得た。
イ 会計処理
① 会計処理については,2006年度より新しい会計基準で行なってきたが、改組手続きを進める過程で教育庁からの指導がありそれを元に訂正した。
エ 法人会員の動向
① 一般会員
2009年度末の会員数は310名である。
② 賛助会員
2009年度の賛助会員数は5法人である。
③ 新会員
新会員の確保に努力をしているが厳しい状況である、引き続き会員増に努める。
④ 名簿の作成
会報誌34号の送付時に、名簿掲載情報の確認用紙を同封して正確な情報を得て、名簿を発行する予定である。
オ 図書・資料コーナーの設置
① 寄贈図書の受け入れ
現在、所有する寄贈書物に加えて、2009年度は「アーカイブズ関係の写真、書籍」とテキサスインスツルメント社からの寄贈があった。
② 図書の整理
アーカイブズ関係の書籍が増えてきたので整理を行った。
③ 資料の整備
各委員会の連絡,開催,議事録の整備保存を行った。
(3) 公益法人改組
ア 改組に向けての準備
「公益法人の見直し」については、2008年12月に関係法令の改正が行われた。これによれば、現行の財団法人は「特例財団法人」となり、5年以内に、「公益財団法人」か「一般財団法人」のいずれかに改組手続をしなければならない。
現在のCROSSでは、「一般財団法人」に改組する方針が2009年3月の理事会で確認され、2010年1月より監督官庁である茨城県教育庁との協議に入っている。
現在、次の事項について検討をし、作業中、又は完了している。
・現在の基本財産の処分
・改組後の定款 (目的・事業など)
・新法人の財務計画
・新法人の役員構成
・新法人の事業計画 (事業見通し)
イ 改組の見通し
CROSSとしては、これまでの事業を継続するのであれば、改組の手続は、急ぐ必要はなく、2013年11月までに行えば良い。しかし、「産学連携事業の導入」を行うためには、新たな執行体制を整備する必要があり、改組手続を急がなくてはならない。そのためには、上記の「役員構成」「財務計画」「事業計画」を固め、「改組申請書」を作成する必要がある。
一般財団への移行の認可の申請後約4ヶ月から6ヶ月で、認可されることから、6月に申請し、11月くらいには認可され、一般財団となる予定である。
一般財団への移行の手続きに関しては第4号議案のスケジュールを参照されたい。
3.本部事業部門の事業
本部事業部門の活動は、「事務局」で行っている活動とそれ以外の「事業部門」の2分野があり、後者は2010年度からは「CROSS事業部門」として扱う予定でいる。
(1) 会報誌『CROSSつくば』の発行
ア.編集委員会
委員長 木村 滋
委 員 秋田 雅之・小野 史子・浅田 順 ・冨江 伸治・内藤 彰
八木 晃一・矢部 健 ・井口百合香・西谷 隆義・羽澄 順二
見角 鋭二・御供 文範・三國 晃 ・助川 庄一
オブザーバ 岡田 雅年
イ.編集委員会の開催
2009年度は以下の日程で6回開催した。
第54回:H21. 4.28 第55回:H21. 6.23 第56回:H21. 8. 4
第57回:H21.10. 9 第58回:H21.12.11 第59回:H22. 2.19
ウ.発行状況
『CROSSつくば』は (32号,33号,34号) の3回発行した。
エ.編集方針
『CROSSつくば』の編集方針を「30号」より,下記の5つの分野を設けて掲載することにした。更に、各分野には編集委員が得意とすることを担当し,投稿原稿の拡大および購読者の増加を図ることにした。分野を設ける事により、分野毎の記事の集まり具合を知ることが出来、編修委員が得意を担当することにより、話題を発掘しやすくなった。分野はつぎのとおり。
① つくばからの発信
② 経済・ビジネス
③ 街づくり
④ 人,ひと,ヒト
⑤ 文化
(2) ホームページのリニューアル
これまでのCROSSホームページは情報量が少なく、CROSSの実態を十分に反映するものではなかった。そこで、会員増、新規事業の導入を考慮し、大幅なリニューアルを行った。
① CROSS活動と運営の公表
当財団の、活動範囲が広がるにつれて不特定多数の方からホームページへのアクセスが増加し、CROSSの活動状況を広く知って貰うため、情報を広く公開する。
② 会報誌『CROSSつくば』の掲載
会報誌『CROSSつくば』の最新号の掲載記事を,ホームページに掲載することとしている。
現在は、必要な情報の組込みは概ね完了しているが、今後は「アップデート」に力をいれることとする。
(3) CROSS会員名簿の整備
永年の懸案事項であった「CROSS会員名簿」の作成に具体的に取組み、22年5月頃には完成する予定である。
4.CROSS事業部門
(1) 企画委員会
ア.目的
企画委員会は、研究プロジェクトを発掘することが目標の一つである。更に、研究プロジェクトの発表の場を提供し、研究の支援を行っている。今年も幾つかの研究プロジェクトにおいて、貴重な成果を上げることが出来た。
イ.構成
委員長 斉藤 鐵也
委 員 安藤 正海・秋田雅之・井上正美・小野史子・加納正康・荊 華・
上野 健治・助川庄一
オブザーバ 岡田 雅年・西谷 隆義
ウ.研究成果発表会
2009年12月11日、つくばサイエンスインフォメーションセンターで「第3回つくばアーカイブズ大賞の中間発表」と同時に開催した。
発表は以下の5テーマでおこなった。
① 「つくばアーカイブズ調査研究」 高橋 嘉右
② 「昭和初期における茨城県霞ヶ浦浮島村の養蚕の調査研究」 木村 滋
③ 「霞ヶ浦周辺旧海軍施設の消滅略史」 屋口 正一
④ 「つくば発の陽子線によるガン治療」 福本 貞義
⑤ 「金属に関する計算機シミュレーション手法による研究」 鈴木 哲郎
(2) 審査委員会
ア.目的
審査委員会は、研究プロジェクトがCROSSの研究として、適切な研究か否かを審査する。
イ.構成
審査委員長 髙橋 嘉右
委員 安藤 正海・井口百合香・猪股 吉三・河本 哲三
木村 滋 ・福本 貞義・西谷 隆義・横山 桂
オブザーバ 岡田 雅年
ウ.活動
本年度は、研究プロジェクトの受付開始と同時にほとんどの研究プロジェクト申請が出てしまい、追加の申請がなかったことから、次の通り審査は1回だけ行った。
2009年7月21日 第20回審査委員会開催
(3) CROSS研究プロジェクトの具体的な活動状況
「CROSS研究プロジェクト」は,当法人の寄付行為第4条に定められた条項に対応する5つのエリアに区分している。
ア.第1エリア〔第4条 (1) 〕
このエリアは,「産学協同の理念に基づく研究開発及び研究支援」のもとに行なう研究活動である。
イ. 第2エリア〔第4条 (2) 〕
このエリアは、「基礎及び先端分野の教育及び社会人向け研修」のもとに行う調査研究である。
ウ. 第3エリア〔第4条 (3) 〕
このエリアは、「真空科学に関する調査研究及びそれに関する事業」に基づく調査研究である。
エ. 第4エリア〔第4条 (4) 〕
このエリアは、「高等教育及び科学技術の振興に関する調査研究と活動助成」に基づく調査研究である。
オ. 第5エリア〔第4条 (5) 〕
このエリアは、「科学全般にわたるデータベースの構築並びに情報の収集と提供」などである。
5.産学連携事業部門の開設準備
(1) 中性子科学分野の調査
中性子科学は、最近、産業界でも注目され始めており、将来に向けての可能性等について調査する。
(2) 大型研究施設の共用促進に関する調査
大型研究施設に位置づけられているものに「Spring8」や「大型コンピュータ」などがある。これらは、「共用促進法」に基づいて運用されており、その運営状況を調査する。