2025年11月29日つくば市役所201室でCROSS市民公開講座が開催された。「ことしは筑波山だ!」をテーマに2つの講演があり、147名が聴講した。過去最高の参加者数となった。
つくば市科学技術戦略課課長補佐の高橋氏が代読した市長挨拶では、市民公開講座の開催、そこに参加する熱意が科学技術の街つくば市を支える大きな力となっていると指摘された。また、今回のテーマに関連してつくばジオミュージアムの紹介があった。
市長挨拶を代読する高橋課長補佐
「山国誕生の謎-関東平野の沈降と筑波山の隆起」
講師の高橋雅紀氏は地質調査所を定年退職し、現在も地質学者として執筆活動を進めている。講演では、研究活動の成果の1つ、「日本海溝移動説」が紹介された。フィリピン海プレートが動くことによって日本海溝が移動、地殻を東西に圧縮させ、日本列島を隆起させている。そのため日本が山国となった。参加者は、配布された地殻変動模型を組み立て、日本列島近海のプレートの動きについて理解を深めた。
高橋雅紀講師
日本列島近海の地殻変動模型を製作
筑波山の成立過程はとても複雑だ。6千万年前、この地域にマグマが上昇し、ゆっくり冷えて花崗岩になった。大きく傾きながら隆起し、隆起した部分が山になり、浸食された土砂が海を埋めて現在のつくばの地ができた。
質疑応答では筑波山近隣の地層について等の質問があった。講演後に講師を呼び止めている参加者もあった。
「万葉集と筑波山」
講師の井坂敦実氏は筑波の郷土史家で、地域に根差した活動を行っている。
万葉集に収められた4516首のうち、「筑波山」の歌は25首で、山を詠んだ歌としては一番多い。このうち、都人が詠んだ歌が11首、在地の人々の歌が14首である。常陸の国の東歌は12首あるのだが、このうち、11首が筑波山を詠んでいる。筑波山が人々に愛されてきたことがわかる。講演では、その中から数首が紹介され、東国の人々の詩心が読み解かれた。
井坂敦実講師
筑波山と言えば嬥歌に触れないわけにはいかない。これは「昔からこの山を領有している男女2神が許している行事」で、田の神を迎えるお祭と密接に関連している。万葉集の歌から古代の神事を知ることができる。
講演中はノートを広げてメモをとる参加者も散見された。質疑の時間では、筑波山の神がイザナギ・イザナミと言われている理由など、さらに踏み込んだ議論を聞くことができた。

















