高エネルギー加速器研究機構(KEK) 物質構造科学研究所(山田和芳所長)などが主催する「第3回物構研サイエンスフェスタ」は3月17日、つくば国際会議場(エポカルつくば)で開かれた。18日まで。
加速器から生み出される量子ビーム(放射光・中性子・ミュオン・低速陽電子)を多くの利用者に提供するとともに実験研究を推進している物構研が、その研究成果について発表し、施設の現状と将来展望について議論を行う機会。J-PARCの物質・生命科学実験施設(MLF)、物構研放射光科学研究施設(PF=フォトン・ファクトリー)に関わるセッションも予定され、J-PARCセンター、総合科学研究機構(CROSS)も主催に名を連ねた。
初日は合同セッションで、「超伝導探索とX 線・中性子・ミュオン―良い素材と素晴らしい料理人」 秋光純(青山学院大学)、「『しなやかなタフポリマー』の実現に向けた分子設計・材料設計戦略」伊藤耕三(東京大学大学院新領域創成科学研究科)の両氏による基調講演が行われた。
講演の合間には、KEKの次期機構長に就任が決まっている山内正則氏のあいさつ。運転経費の節減と電力料金の上昇によりユーザーに窮屈な運用を強いているPFについて、平成27年度での改善をアピール。失火で実験の中段を招いたMLFについても安全優先の取り組みを約束した。